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2007年1月 6日 (土)

銀色の翼(青いけむり)/佐川光晴 ~哀~

本書は「銀色の翼」と「青いけむり」からなる。後者に関して。

男が語る。自らの経歴について。大学を出て、働き、結婚する。子供ができる。仕事を辞める。子育て。悲しみ。妻との関係の変化。炭をつくりはじめる。妻の再度の妊娠。子育て。一度の過ちとその代償のように失われた男の身体。妻との関係の再生。

何が悪いのか。嘆くしかない。憂うしかない。うらむことすらできない。客観的に見たらかなり男の語る内容は不幸である。漂う哀愁。暗くはなく淡々と語る彼。

得たものが多ければ失われたものも多い。人は得ることのみを欲して生き抜こうとする。しかし失われるものも必ずある。その多少に違いはあれ、得ることのみで成り立つものはない。男の人生は続いていく。

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タイトルの「銀色の翼」は、片頭痛に悩まされていた芥川龍之介の言葉だそうだ。 片頭痛が起こる前に「閃輝性暗点」という症状が出る。視界の一部が真っ白になって見えなくなり、その白い部分の縁がジグザグにチカチカ光... [続きを読む]

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