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2007年1月26日 (金)

ぼんくら/宮部みゆき ~時代の空気を描く天才~

歴史がある。時代というものは確かにそこにある。

私たちの生きている時代。そして私たちの祖父母やもっと前の顔も知らない祖先が生きていた時代。日本は日本であった。日本人も日本人であった。しかし東京は江戸であった。

私たちは忘れてはいないか。人情という言葉。人の情けに触れたときの感情。身の回りに困っている人がいれば、行く先のない子供がいれば、心配するのが筋ではないか。眼をかけ手を差し伸べるのが筋ではないか。筋を言う言葉をもう使わないか。責任問題になるからやってられないか。

作者の時代小説に対する共感はここにある。勧善懲悪ではない。報われない人もいる。主題はそこにあるのかもしれないが、主題を描く環境に現れる人間模様の豊かなこと。殺伐とせず、ゆっくりと進んでいく時間の豊かなこと。

登場人物たちの行く末がとても気になる。もう一度彼らに会いたい、彼らの時代に生きて時間をともに過ごしたい、という気持ちが高まる一冊である。

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