« 銀色の翼(青いけむり)/佐川光晴 ~哀~ | トップページ | もう牛を食べても安心か/福岡伸一 ~動的平衡系 すべてのものはつながっている~ »

2007年1月 8日 (月)

クラインの壺/岡嶋二人 ~明確な構成とストーリー~

面白い。久々に戯言や解説抜きで没頭できる小説を読んだ。

現実と空想。リアルと虚構。パラレルワールド。ミステリーのようなSF。SFのようなミステリー。

主人公は新進ゲーム作家。出来上がった作品をとあるゲーム会社が買い取るところから話ははじまる。現れるヴァーチャルリアリティの世界。主人公は美少女とともにヴァーチャルの世界に没頭する。そして消えた美少女。突然消えた彼女を探して、主人公はヴァーチャルの謎に迫っていく。やがて訪れるリアルとヴァーチャルの境界線の崩壊。崩壊した垣根を前に主人公は最後の賭けに出る。リアルな自分を呼び戻すために。

この作家、「99%の誘拐」もそうだが、使われるモチーフがPCやゲームなど一見時代性が高いもののため小説が古びそうなところだが、今読んでも全く古さを感じない。技術に対する深い視座と本質を描く能力、またストーリーの中に組み込むセンスのよさで現在に対するクリティカルな力を保持している。時がたてばたつほど、評価が上がる作品になりうる。

« 銀色の翼(青いけむり)/佐川光晴 ~哀~ | トップページ | もう牛を食べても安心か/福岡伸一 ~動的平衡系 すべてのものはつながっている~ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84530/4852460

この記事へのトラックバック一覧です: クラインの壺/岡嶋二人 ~明確な構成とストーリー~:

« 銀色の翼(青いけむり)/佐川光晴 ~哀~ | トップページ | もう牛を食べても安心か/福岡伸一 ~動的平衡系 すべてのものはつながっている~ »

最近のトラックバック

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ