« クラインの壺/岡嶋二人 ~明確な構成とストーリー~ | トップページ | 縮んだ愛/佐川光晴 ~諦念~ »

2007年1月13日 (土)

もう牛を食べても安心か/福岡伸一 ~動的平衡系 すべてのものはつながっている~

私たちは食べる。食物を食べる。何のために?食物は快楽である。食物は栄養であり、消化され、吸収され、エネルギーとなる。私たちの身体は食物を燃やす内燃機関である。

筆者は語る。そうではないと。食物は情報である。分子である、と。そして私たちの身体も分子である。食物と身体の分子も高速で入れ替っている。数日間のうちに入れ替る身体は安定した物質ではなく、むしろ流れの「淀み」であり、緩やかな「結び目」なのである。身体は動的な平衡状態にある。

それが狂牛病とどうつながるか。狂牛病は人災である。自然界に存在しなかった牛の病気が人間の「牧畜」という営みにより蔓延した。そこには生命のサイクルを最大限に効率化しようとする試みがあった。ところが自然には大きな外的負荷を時間をかけて平衡化しようとする習性がある。だが時間がないとどうなるか。遺伝子組み換え、クローン食物。環境問題の多くもこの時間の欠如、動的不平衡に起因する。平衡状態をつき崩す急激な変化。

成分表には現れない時間という概念、歴史という背景。流れの欠如より顕在化する問題点の数々。私たちに見えているものはまだまだ少ない。

« クラインの壺/岡嶋二人 ~明確な構成とストーリー~ | トップページ | 縮んだ愛/佐川光晴 ~諦念~ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84530/4913266

この記事へのトラックバック一覧です: もう牛を食べても安心か/福岡伸一 ~動的平衡系 すべてのものはつながっている~:

« クラインの壺/岡嶋二人 ~明確な構成とストーリー~ | トップページ | 縮んだ愛/佐川光晴 ~諦念~ »

最近のトラックバック

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ