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2007年1月21日 (日)

プリンシプルのない日本/白州次郎 ~変わらない原則~

原理・原則。数十年前と今で変わるか。時代は変わる。しかしその根幹は何か。人の営みで重要視すべきは何か。政治・経済・法律・産業。すべては人の生活のうえに根ざしている。全ては人の生活の土台となるべきであり、人の暮らしをより便利に、より快適に、より人間らしい暮らしを営むことができるように、人に奉仕するべきものである。

ところがどうだ。政治は偉い。経済はすべてに優先する。法律のせいで認められない暮らしがある。産業発展のために犠牲となる個人の生活。

本書は「育ちのいい野蛮人」と呼ばれた白州次郎氏の主として政治、経済、生活に関する評論集である。その文章、個人名や固有名詞を現在のものに置き換えたらすぐさま最新の雑誌に載せれるがごとく、文章は本質をついている。別の観点から見れば、彼の指摘から数十年、世界はまったく進歩していないということか。

いずれにしても根底に流れるのは、彼の日本という国を憂う心、友人に対する深い愛情、彼の人間に対する強い信頼。だからこそその信頼感をゆるがす政治、行政、官僚、マスコミの不作為にもちあがる大きな怒り。特に外交面に関するセンシティブな論評は、われわれが普段眼にしている新聞等での社説がいかに日和見で表層的なものかを教えてくれる。

数十年後、この書を読んで、この論評が古いものに感じられる日がくることを祈りたい。

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