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2006年12月26日 (火)

熱球/重松清 ~関係の狭間で~

祖父と父。父親と娘。呼び方は異なるが、親と子であるのは変わらない。

男と女。男と男。友人。 

男と女。夫婦。

都会と故郷。仕事と退職。再就職。

故郷に戻った男にとっての人生の折り返し地点で、さまざまな関係が彼を取り囲む。男はその関係にはじめは戸惑いながら、ひとつひとつを見つめていく。時には流され、疲れ、嘆き、あきらめながら。

彼の足元にあるのは十数年前の記憶。高校野球。甲子園。そこで起こった悲劇。

なぜがんばれるのか。もう一度歩き出せるのか。彼の周りには彼をつつむ世界があるから。親と子。友人。夫婦。関係があるから。彼の辿ってきた道のりで関係がつくられてきたから。

ストーリーではない。クライマックスもない。しかし人がいる。盲目的ともいえる関係への信頼感。

親はいつまでも親であり子はいつまでも子であり友はいつまでも友であり妻はいつまでも妻である。だから彼はそこにいる。関係の狭間で苦しみ、笑い、立ち、歩きはじめる。

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