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2006年4月 9日 (日)

サウスバウンド/奥田英朗 ~この清々しさは何だ?~

何故かモップス(吉田拓郎)の「たどり着いたらいつも雨降り」(子供バンドがカバー)を思い出した。
決してハッピーエンドではない。決して大団円ではない。レジスタンスは成されなかった。資本により自然は破壊される。
でもこの清々しさは何だ?

「心の中に傘をさして裸足で歩いてる自分が見える。」

少年は少年なりに素直で、恥ずかしがりで、母親に頼り、妹を想い、気になる女子がいて、友が好きで、父を煙たがる。
妹はロマンチックに憧れ、母に甘え、兄の後を追いかけ、父を煙たがる。
姉は父を煙たがるが、父を大人として理解する。弟妹を大人として愛する。
母は父を理解する。徹底的に愛する。
父は誰にも媚びない。そして自分を最も理解する。息子に向けて
「俺のようにはなるな。少し極端だからな。」
だが自分の立つべき位置は決して変えない。そしてその位置を家族全員が理解した時、家族の持つ美しさが立ち上がってくる。

家族をとりまく人達も生々しい。どこにでもいそうで、いなさそうな愛すべき人達。

例えこの世が土砂降りでも、心の中に傘をさして歩いていく。周りから見ればびしょ濡れでみすぼらしいのかもしれない。
しかしその心の中が見えた時、彼の姿はあくまでも誇り高く、気高い。

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